ライト兄弟のイラスト title top

ライト飛行機のシリーズの歴史は短く、キティホークで初飛行に成功した「フライヤー」とアメリカ陸軍に納入された「ミリタリー・フライヤー」以外はあまり世間に知られていません。ここでは実験グライダーも含めて年代順にライト製 の飛行機を紹介いたします。「同年代の飛行機」ボタンをクリックするとサブウィンドウが開いて、同時期におけるライト以外の飛行機のデータが見られます。

1900kite 1900 グライダー
全幅5.2m
翼弦長1.5m
キャンバー1/23
翼面積15.3m2
重量86kg(パイロットを含む)

ライト兄弟が初めてノースカロライナ州、キティホークの海岸にキャンプを張り、実験した最初のグライダー。ほとんど凧のようにひも付きでテストされたが、何回か人を乗せて飛行を試みたらしい。材料の都合で予定より若干小型になり、人を乗せての実験結果はおもわしくなかった。翼にはフランス製綿繻子(めんしゅす)が使用された。凧は撓(たわ)み翼によって地上からバランスをコントロール出来るようになっていた。

1901 1901 グライダー
全幅6.7m
翼弦長2.1m
翼間隔1.4m
キャンバー1/17
翼面積27m2
水平ラダー面積1.7m2
全長4.3m
重量49kg
実験は7月から8月にかけて行われた。主翼の前方にプームによって支えられた水平安定板がつけられた。凧式実験のあと有人グライダーとして実験された。主翼のキャンバーなどを変えて何回か飛行した。この実験で垂直尾翼が必要であることがわかった。オクターブ・シャヌートも一部実験に立ち会っていた。
1902 1902 グライダー
全幅9.8m
翼弦長1.m
翼間隔1.4m
キャンバー1/24〜1/30
翼面積28.3m2
水平ラダー面積1.4 m2
垂直ラダー面積0.53 m2
全長4.9m
重量50.8kg
初めて垂直尾翼を備え、空中でコントロール可能な有人グライダーとして製作され実験された。この年の9月、10月に合わせて1000回以上の滑空実験が行われた。テイルスピンに悩まされ、方向舵の必要性に気づいた。次の年の3月、このグライダーの実験に基づいて、ライト兄弟は初めてパテントを申請する。
1903 1903 フライヤー
全幅12.3m
翼弦長1.98m
翼間隔1.88m
キャンバー1/20
翼面積47.4m2
水平ラダー面積4.46 m2
垂直ラダー面積1.95 m2
全長6.4m
重量274.7kg
1903年12月17日、人類初の動力付きの飛行を達成したフライヤー。飛行時間は約12秒だった。エンジンは4気筒水平型12馬力。風に向かってモノレールの上を滑走して離陸する方式であった。パイロットはグライダー実験の時と同様に腹這いになって操縦するタイプで、左手でフロントラダー(昇降舵)をコントロールし、クレイドルに乗せた腰を動かすことにより、撓み翼と方向舵を同時にコントロールすることが出来た。
1905 1904 フライヤーU
キャンバー1/25
その他の仕様は1903モデルと同様と思われる
全体の形は前作に似ているが、エンジンから骨組みまで全て作り直された動力飛行実験機二作目。カタパルトから発進させる方法が初めて採用された。エンジンも新しくなり出力が以前の倍くらいになった。重心を前方に移動さるために先方ラダーに鉄の棒がくくりつけられていた。この実験機の総飛行時間は45分にすぎなかったが、次の実験機のための貴重なデータが採取された。初めての完全な360度旋回も実現している。
1905 1905 フライヤーV
全幅12.4m
翼弦長1.98m
翼間隔1.68m
キャンバー1/20
翼面積46.7m2
水平ラダー面積7.7 m2
垂直ラダー面積3.23m2
全長8.54m
重量322.3kg
前作のエンジンとチェーン駆動機構をそのまま使って骨組みを新しく製作し直した実験機。水平安定版(昇降舵)の位置を重心から遠ざけ、面積を増加させるなど操縦性を向上させた。また新たに開発された高回転用ののベント・エンド・プロペラが使用された。また前方二枚のラダーの間にブリンカーと呼ばれる垂直板二枚を追加したことが特徴。ブリンカーは機が横滑りを起こしたとき、後方垂直ラダーとのバランスを保つ役目をした。キャンバーは1/20に戻されていた。

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