演出家がいるのだろうか、専門の振付師もいるのかもしれない。6機編隊、5機、4機、2機、ソロとか、やたらコンビネーションが入れ替わる。それが予想もしない位置から進入してきたり、会場正面で交差したりする。6機が自由に、縦横無尽に空を暴れまわっているように見える。しかし各機の空中でのポジション、交差するタイミングなどは微妙に計算つくされ、一定の規則に従って飛んでいるはずなのである。音楽で言えばジャズか。スキルの高さを感じる。
だからもう食傷気味の、ごく普通のデルタ編隊ループや、スモークでハートを描いたりするようなマネはしない。その代わり、機がお互いに高速で、ぎりぎりですれ違うシーンやソロ対ソロの演技が多い。各機がリーダーの指示で動くのではなく、自由に自分の技量を発揮している感じ。これらを実現するには、十分な時間をかけた綿密な打ち合わせとトレーニングが必要だろう。
その飾り気の無い、真っ黒な機体は自信の表れなのかも知れない。実を言うと、黒いジェット機を自由に操っているのは、元ブルーエンジェルス、スノーバーズ、サンダーバーズのパイロット達なのだから。
20分間の、間の空かない、スピード感のある、新鮮なアクロだった。三日間飛ぶ予定だったのに、この日、一日かぎりのショーになってしまったのが残念だった。
|